『汀間当』(ティーマートゥ)
汀間(ティーマ)と安部境(アブサケー) 兼下(カヌシチャ)ぬ浜下り(ハマウリ)て
汀間ぬ 丸目加那(マルミカナー)と
請人神谷と恋ぬ話
サーふんぬかなひゃー誠かや
神谷が云言葉や 何で言ゅたが
明きて四、五、六月
サー呼わし来ゅうくと
勤みて待っちょりよ
サー出来ちゃんやーひゃー丸目加那
月ぬある間る 思いんすんど
沙汰んすんど 月ぬ西下れえ
サー思いんさんど 沙汰んさんど
サー寄て来う かん来う我腕枕
装(スガ)てやらちゅる 我島二才達(ニーセーター)
とかく今(ナマ)自分のー
サー首里(スイ)登とうて 我沙汰すらど
サーやらすがや 呼び戻せ |
(訳)
汀間と安部の境の兼下の浜を下りて
汀間の美人丸目加那と
首里からの請人神谷との恋のはなし
サー本当か 誠か
神谷は何といったか
明けて四、五、六月に
使いが来るから
よく勤めて待っておけよ
サーよかったねー 丸目加那
夜の月の照る間は思いもするし
噂もする 月が沈んでしまえば
思いも噂もなくなってしまう
サー寄ってきて私の腕枕
着飾って見送った汀間の青年達
とのかく今ごろは
首里に向かいながらも 私の事を考えて
サー首里へなど行かすな 呼び戻せ |