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島唄カフェまるみかなー
島唄コラム
島唄に精通する『いーやーぐゎー』店長・小浜司による、島唄コラム。
Vol.1
「まるみかなー」ってどういう意味ですか?
Vol.2
沖縄のアーティスト10人
Vol.3
追悼・小浜守栄

Vol.4
「十九の春」、知られざる名盤を鑑賞する

Vol.5
「十九の春」を歴史的に考察する
Vol.6
琉球フェスティバル’74
Vol.7
さらに、琉球フェスティバル’75
Vol.8
沖縄音楽ディスクガイド
Vol.9
竹中労の顕彰碑建立

Vol.10
「スピリチュアル・ユニティ」 を斬る

Vol.11
音源に敬意と配慮を

Vol.12
君知るや 小浜守栄

Vol.13 
追悼・照屋林助

Vol.14 
「平成のワタブーショー」を問う

Vol.15 NEW!
本にまつわるエトセトラ 〜多読乱読の読書旅〜

前回(vol.1まるみかなーってどういう意味ですか?)解説できなかったレコードの解説を少し…。 昭和16年、日本が大戦に突入する年に録音された、普久原京子の「ケーヒットリ節〜マルミ加那節」(太平丸福レコード)は昭和35年(1960)に復刻された。
普久原京子は、戦後復興期の沖縄の若手女性歌手(歌手を目指す人)の目標であった。
1940年に普久原朝喜氏と結婚し、夫妻は精力的にレコード政策に取り組んだが、42年には戦時下でその製作中止を余儀なくされている。
丸福レコード35周年・名盤シリーズの復刻では、A面に「マルミ加那」、B面には最初の夫人の鉄子を亡くした悲しみを唄った「下千鳥」となっている。
島唄ファンなら一度は聴いてみたい唄のひとつである。
1962年「片思い」でデビューし、今では沖縄を代表する女性歌手の大城美佐子にとっても、もちろん普久原京子は手本であり、目標でもあった。
大城美佐子歌う「汀間当」(「絹糸声」:あばさーレコード)の「まるみかなー」も一度は聴いてもらいたい。

さて、今回取り上げるレコードは、島唄ファンならずとも誰でも知っている「十九の春」だが、そんじょそこらの(失礼)「十九の春」ではない。
1975年コロムビアより出た、未だデジタル化されていない超入手困難な音源なのだ。
『決定盤 十九の春/二見情話』知名定男・大城美佐子
相方が知名定男。プロデュースは竹中労。
ジャケットを見ていただきたい。
まさに決定盤。
ウタムチ(イントロ)の最初のテンから、まわりの雰囲気を一瞬にして変えてしまう音。
ややハスキーな大城美佐子のシンコペートした出だしの声は、何ともいえません。
それにレスポンスする知名定男の美声。
ここでお聞かせできないのが残念ですが、文字数が尽きたのも残念。
十九の春
本竹裕助補作詞/沖縄民謡/佐々木永治編曲

私があなたにほれたのは ちょうど十九の春でした
いまさら離縁というならば もとの十九にしておくれ

もとの十九にするならば 庭の枯をみてごらん
枯木に花が咲いたなら 十九にするのもやすけれど

みすて心があるならば 早くお知らせ下さいね
年も若くあるうちに 思い残すな明日の花

1銭2銭の葉書さえ 千里万里と旅をする
同じコザ市に住みながら あえぬ吾の身の切なさよ

主さん主さんと呼んだとて 主さんにゃ立派な方がある
いくら主さんと呼んだとて 一生そえない片思い

奥山ずまいのウグイスは 埋めの小枝で昼寝して
春がくるような夢をみて ホケキョホケキョと鳴いていた
『決定版 十九の春/二見情情話』 知名定男・大城美佐子 日本コロンビアレコード CD 253-A
2002年7月8日
『十九の春』といえばこのレコード→
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