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琉球新報「南風」(隔週連載) 2007年1月16日〜6月19日 |
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新風(みいかじ)
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新風(みーかじ)が吹いている。日本の音楽シーンに於ける沖縄音楽の躍進は、いわゆるかつてのブームの時のような勢いは落ち着いた感はあるものの、今や沖縄発の音楽ジャンルとしての裾野は確実に広がりを見せているといってもよさそうだ。
沖縄内にあってはどうか。若いアーティスト達がどんどん力をつけて台頭しつつある。ポップスや島唄に限らず伝統芸能や古典音楽の分野においてもである。これから活躍するであろう、若いアーティストたちは、やはりよほど良い音楽環境で育ったDNAを備わったサラブレットが多いというのも事実である。ともあれ、一国内の一地域の音楽が沈むこともなく、再生を繰り返し、言霊を受け継いでいけるということは素晴らしいことに違いない。
そんな若いウタサー(歌手)たちと話していて、沖縄音楽文化を担っているという気構えと、それを途絶えさせてはいけないという危機意識を強く持っている人たちが多いことに気付く。彼らと同じ年頃、民謡を聞いているなどとは気恥ずかしくて言えなかった筆者には頼もしすぎるほど感心させられてしまう。
先月、若手アーティストによるコンピュレーションCD「新風」がBCYンナルフォンからリリースされた。若手男女九人が参加するそのアルバムは、オリジナルな新曲をそれぞれが堂々と歌いこんでいる。タイトルから受ける印象よりも、そこにあるのは古き良き沖縄の伝統音楽を継承していこうとする強い意志のあらわれを感ぜずにはいられない。その高邁な姿勢に聴いているこちらの方が少し心配になるくらいだ。ともあれ、新風は確実に吹いている。
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2007年6月5日 琉球新報夕刊「南風」掲載より |
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